【簿記とは?】初心者向けに簡単にわかりやすく説明します!
こんにちは、tomologです。
この記事では、簿記の勉強をはじめる前にこれだけは知っておきたい内容について詳しく説明していきます。
以上のような、簿記の勉強をはじめようとしている人や簿記の勉強をはじめたばかりの人の質問にお答えします。
🖋この記事の内容
- 簿記の一連の”手順”を知る
- 簿記の”目的”を知る
簿記の勉強をすすめていくと、むずかしい専門用語や覚えなければならないルールがでてきます。
ですが、はじめに簿記の基本をしっかりとおさえることができていれば難易度があがったとしても、応用できるようになります。
また、基本を応用できるようになると、成果も出やすくなります。
この記事を読むことで、簿記の基本についてしっかりとおさえることができますよ!
目次
簿記とは?
簿記とは、簡単にいうと会社のお金やものの出し入れを記録するための手法です。
みなさんは、お金の管理をするときにどうしていますか?
たとえば、家計簿をつけていたり、携帯のアプリで管理をしている人もいるかもしれませんね。
会社も同じように、会社のお金の管理をするときに帳簿に「簿記」という手法をつかって記録していきます。
会社では、”日々の取引を、帳簿に「簿記」の手法をつかって記録していく”という手順をふんでいます。
さらに付け加えると、最終的には報告書にまとめて、経営者や投資家などの利害関係者に報告するまでが簿記となります。
つまり、簿記の手順をしっかりとおさえておけば、簿記の全体像がみえてくるということです。
簿記の手順
🖋簿記の手順
- 取引が発生する
- 仕訳帳に記録する
- 総勘定元帳に書きうつす
- 勘定科目ごとに集計する
- 財務諸表を作成する
- 利害関係者に報告する
以下で説明します。
1.取引が発生する
まず簿記は、取引の発生からはじまります。取引が発生しないかぎり、簿記ははじまりません。
ここで、「簿記上の取引」とは、”会社の財産が増えたり、減ったりすること”を指します。
会社の財産とは、会社がもっているお金やものをいいます。
簿記上の取引例をみてみましょう。
- 商品を現金1,000円で売った。
➡ 会社の財産の増加
- 商品を現金500円で仕入れた。
➡ 会社の財産の減少
- 電気代300円が普通預金口座から引落された。
➡ 会社の財産の減少
つまり、会社の現金や預金などのお金が増えたり、減ったりするようなものが主な取引となります。
簿記上の取引で注意しなければならないこと
- 店舗を借りるために契約をおこなった。
- 商品を電話で注文した。
上記にような、会社の財産の増減がないような契約や口約束は簿記上の取引とはなりません。
2.仕訳帳に記録する
取引が発生すると、仕訳帳に記録するという手順をふみます。
「仕訳帳」とは、すべての取引の仕訳を日付順に記録するための帳簿をいいます。
いつの取引なのか、どのような内容なのか、金額はいくらなのか、といったことを記録します。
以下の図をご覧ください。
7/1に、商品を現金1,000円で売ったという取引があったときに、商品売上という取引を仕訳という手続きで、仕訳帳に記録していく作業をおこないます。
「仕訳」とは、仕訳帳に記録するための手続きのしかただと考えてください。
簿記の手順のなかで、とても重要な作業となります。
現段階では、大まかな流れについてイメージをもっていただくだけで大丈夫です。
3.総勘定元帳に書きうつす
仕訳帳に記録をおこなったら、総勘定元帳の各勘定へ書きうつしていく手続きをおこないます。
「総勘定元帳」とは、勘定科目ごとにすべての取引を記録するための帳簿をいいます。
また、総勘定元帳へ書きうつしていく手続きを「転記」といいます。
まず、以下の図をご覧ください。
総勘定元帳には、勘定科目ごとに取引を書きうつす場所があります。
取引を書きうつす場所のことを「勘定口座」といいます。
そして、勘定口座にはそれぞれに名前がつけられており、その名前のことを「勘定科目」といいます。
勘定科目とは、図でいうと現金と売上高のことです。
つまり、取引の内容をわかりやすく示すための名前になります。
たとえば、商品を現金1,000円で売ったという取引の場合、
取引の内容は、
- 1,000円の商品を売った
- 現金1,000円が増えた
となります。
つまり、商品を売ったという取引の内容を示す勘定科目は、”売上高”で、現金が増えたという取引の内容を示す勘定科目は、”現金”となります。
この”売上高”と”現金”それぞれの場所、つまり勘定口座に書きうつしていく手続きをおこなうということです。
4.勘定科目ごとに集計する
通常、会社は1年間ごとに区切りをつけて一つの期間をつくっています。
あらかじめ決められた期間の取引を勘定科目ごとに集計し、その期間の最終日に合計を出して締め切るという手続きをおこないます。
以下の図で、イメージをもっていただければとおもいます。
5.財務諸表を作成する
勘定科目ごとに集計が終わったら、財務諸表を作成します。
「財務諸表」とは、会社の状態や成績をまとめた報告書のようなものです。
財務諸表は、
③キャッシュ・フロー計算書
④株主資本等変動計算書 など
で構成されています。
会社は通常、1年間ごとに区切りをつけているとお話しました。
その会社の1年間の最終的な”状態”や”成績”を財務諸表にまとめていく手続きをおこなうというわけです。
みなさんも学期の終わりごとに通信簿を受けとっていましたよね?そのみなさんに馴染みのある通信簿をイメージしていただければとおもいます。
たとえば、財務諸表をみることで、
その会社が1年間でどれだけ売り上げたのか、どれだけ利益を得られたのかなどの会社の成績をみることができます。
また、その会社が最終的に現金や預金がいくら残っているのか、どれだけ財産をもっているのかなどの会社の状態をみることができます。
6.利害関係者に報告する
財務諸表をつかって、利害関係者に会社の状態や成績を報告します。
「利害関係者」とは、会社に関心をもつ、またはその影響をうけるものをいいます。
たとえば、会社の経営者であったり、投資家や取引先、銀行などをいいます。
会社の状態や成績を明らかにすることによって、
- 経営者
➡ 経営を振り返ることができ、次の経営計画をたてるための判
断材料となります。
- 投資家
➡ その会社に投資をおこなうかどうか判断材料になります。
- 銀行
➡ 融資をおこなうときの判断材料になります。
利害関係者に対して役に立つ情報を提供することができます。
また、会社の状態や成績といった情報を提供することで、利害関係者は適切な判断ができるというわけです。
簿記の最終的な目的は、”利害関係者に対して会社の状態や成績を報告すること”にあります。
まとめ
みなさん、簿記の全体像をイメージすることができましたか?
この記事では、簿記の手順と目的について説明しました。
- 利害関係者に会社の状態や成績を報告することを目的としている
- 報告する内容を伝えるツールとして財務諸表を作成する
- 作成するための基礎となるデータを記録したり、集計する手続きに簿記をつかう
簿記の資格を取得することで、就職や転職のときに有利になります。また、事務や経理などをはじめ営業職であっても簿記の知識を活かせます。
まずは、しっかりと簿記の基本を理解していきましょう!
〔基礎用語〕覚えておきたい用語
簿記上の取引
会社の財産であるお金やものが増えたり、減ったりすることをいいますが、会社の財産の増減がないような契約や口約束は簿記上の取引とはなりません。
帳簿
会社でおこなわれる日々の取引を記録する帳面の総称をいいます。帳簿には、仕訳帳や総勘定元帳があります。
仕訳帳
すべての取引の仕訳を日付順に記録するための帳簿をいいます。いつの取引なのか、どのような内容なのか、金額をいくらかなのか、といったことを記録します。
仕訳
会社でおこなわれる日々の取引を仕訳帳に記録するための手続きのしかたをいいます。
総勘定元帳
勘定科目ごとにすべての取引を記録するための帳簿をいいます。
転記
仕訳帳をもとに、総勘定元帳へ書きうつしていく手続きをいいます。
勘定口座
取引を記録する場所のことをいいます。勘定口座一つ一つが記録や計算する単位となります。
勘定科目
勘定口座につけられている名前をいいます。
会計期間
通常、会社は1年間ごとに区切りをつけて、財務諸表を作成し、利害関係者に報告をします。その定期的に区切られた期間をいいます。たとえば、1月1日から12月31日までが一つの会計期間とすると、1月1日を期首、12月31日を期末、期首と期末の間を期中といいます。
財務諸表
会社の状態や成績をまとめた報告書のことをいいます。財務諸表は、貸借対照表や損益計算書などによって構成されています。
利害関係者
会社に関心をもつ、またはその影響を受けるものをいいます。会社の経営者であったり、投資家や取引先、銀行などが利害関係者にあたります。